これはうつ病をテーマにした映画。宮崎あおいが出てるから見た。宮崎あおいと堺雅人、「篤姫」でも夫婦役だったふたりが再共演。
国民病ともいえる「うつ病」についてはテレビなどでよく見聞きしたのだが、社会全体でうつ病をなんとかしなくては!という啓蒙ムーブメントのきっかけはこの本だったのかもしれない。実際自分はこの映画から多くの知識を得た。
クラシック音楽を愛する生真面目な夫(堺雅人)、昼間で寝てる漫画家の妻(宮崎あおい)のために朝食と自分のための昼ごはんのための弁当を作って出勤。酷い満員電車、そして酷い職場。
主人公がうつ病になってしまう原因のひとつが仕事の内容。悪質な常習性クレーマーに苦しむ。
「おたくの製品を良くしてあげるために言ってあげてる」と偉そうに上から意見する暇な中年男性って最悪。クレーマーって大抵おっさんだな。それが義だと思ってる。「対応するオペレーターが悪い!」と社長にまで手紙を書く。
で、医師から「典型的なうつ病です」と診断されるのだが、職場と上司がまったく状況を理解してない。「うつ病?泣き言言ってないでがんばれ!」という最悪な対応。これ、今の水準では到底許されない対処の仕方。場合によっては損害賠償を請求されかねない。
実はクレーマーもうつ病だったというオチが最後に出てくるのだが、これが全然上手くない。ずっとこの電話での声でしか登場しないクレーマーはどこかで現れるんだろうなと思ってた。え?その程度?みんな色々あるんだよ…って言いたいつもり?
要は、うつ病クレーマーが新たなうつ病患者を作り出していた。この国はうつ病対策に乗り出しているけど、その一環として「お客様は神様」というクレーマーが現場の労働者たちを苦しめてる構図をなんとか変えないといけない。
チャイナ風ツインお団子ヘア宮崎あおいの可愛さは異常。うつ病の夫を献身的に支える。「できないことはしなくていい!」「調子が悪かったら早退していい!」、天使かよ。
堺雅人のうつ病演技はややコミカルだった印象を受けるかもしれない。だが、リアルにやっても暗い映画になってしまうのでやっぱり適切だったのかも。
興行娯楽映画だから、うつ病を夫婦愛で乗り切る感動のストーリーでないといけない。
演出と脚本はよいところがあまりなかったと思う。なぜ宮崎あおいの出演する映画は必ずCGアニメを入れたがる?
あと、うつ病を克服する主人公が本のヒットによって講演に呼ばれるのだが、そこに主人公のうつ病をさらに悪化させたかつての上司が来ている。なのに何も触れないw
うつ病のセンパイ的な変なおじさん吹越満も変な人なだけでほったらかし。結婚同窓会?参加者の演技と演出がわざとらしくて興ざめ。
感動したという感想を言う人もいるけど、いろんなところで雑。この監督の過去作リストを見てみたら、やっぱり好きな映画はなかったわ。
犬塚弘が元気に骨董屋のおじいさん役で出ているのを見るほうが元気になれるw
ベーシックインカム導入して、労働者が仕事を休める、辞められる社会にしたほうが良いのかもしれないですね。
返信削除会社にどうにしかしろと言っても無理だろうし。
ベーシックインカムは生きてる間に実現してほしいけど、まだ世界のどこでもやってないからなぁ…。労働者の尊厳を守れない会社は最低。
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