童門冬二による小説「田中久重 明治維新を動かした天才技術者」(2005 集英社インターナショナル)だ。
からくり儀右衛門というと、茶運び人形に代表されるようなからくり人形を作った人というイメージがあったのだが、からくり人形はこの人の発明ではない。
「日本におけるからくり人形の創始は和時計からだったといわれる」家康の時代にヨーロッパから伝わった機械式時計を、日本人はすぐさま分解してその仕組みを理解した。
和時計の開祖は津田助左衛門という人物で、からくり人形の開祖は竹田近江という人物だった。
後に、常陸の飯塚伊賀七、加賀の大野弁吉、そして久留米の田中久重が「からくり」で名を成した。
この3人には共通の参考書があった。土佐の郷士・細川頼直の書いた「機巧図彙」という本がそれ。
「日本のからくり人形には中国の道教(陰陽道)の影響がみられる」「表情が日本的でなく中国的」などのザワザワすることも書かれていたのだが、この本ではそのへんは掘り下げない。
だが、田中久重という人は独自に工夫をして水力を動力とした。これが九州各地で興行を行い、やがて大坂に進出。そして大坂で空気圧を使って給油する「無尽灯」を発明。
大塩平八郎の乱で焼け野原になった大坂から京都に移る。
時計づくりを学ぶ目的で天文学の道へ。当時の天文学を独占していた土御門家に入門。そして「万年時計」を製作。「機巧堂」という店を出す。そして、人生のターニングポイント、佐賀藩士の佐野栄寿左衛門と出会う。そして50を過ぎて蘭学を学ぶ…。
この本では最初に佐賀藩主・鍋島直正のことについてページがさかれている。佐賀藩の特殊な事情、フェートン号事件などについて自分は初めて知ることが多かった。
開明でありながら佐幕の鍋島直正という名君の下、佐賀城内の精錬方で蒸気船の模型を作って走らせる老人が田中久重。これを興奮して見ていたのが若き大隈重信。このくだりで「明治維新を動かした天才技術者」ってスジ書きにもっていってる。
この本、初めのほうは歴史小説っぽくて面白いかもしれないけど、田中久重について人となりをイキイキと伝えてくれる資料に乏しいために、明治以降は一気に端折った感じで、それほど何か新しいことを教えてくれる感はない。
作者は田中の経営者としての理念や才覚、ひらめきに関心が高かったようで、想像を交えて田中の青春を描いている。ちょっとどこに焦点があるのかよくわからない散漫な印象を受ける本だった。多くの知識を得たが小説としては面白くない。
経営不振に揺れる東芝のこともあって手に取った本だった。東芝の不振は東京の多摩地方の経済に多大な影響を与える。とくに青梅や羽村といった工場城下町は、工場労働者をアテにした飲食店が多い。日本のモノづくりの未来は一体どうなる?
川崎駅前 ラゾーナの隣の東芝未来科学館(ラゾーナ川崎東芝ビル2F)。常設内容は真面目な子供向きですけど、田中久重の展示もあります。入館料は無料です。
返信削除期待のBABYMETALの「KARATE」のMVが愉しいですね。ちょっと重たいけど。
それより欅坂46のデビュー曲「サイレントマジョリティー」のMVがすごいっす。センターの平手(14歳)のオーラ半端ない。異様にレトロな集団ダンスが強烈なインパクト!
さすがSONY。「支配する」の歌詞に、ちょこっとだけYUI様の「again」も連想しました。
KARATEのMVがあんなにゴリゴリしたハードな感じとは予想外。
返信削除欅坂のデビュー曲がすごく評判いいみたい。MVもすごくかっこいいけどダンスは?
センターの平手さんは2001年生まれ!w ついに21世紀生まれのアイドル時代に突入か…。
Negiccoのkaedeに似ていると話題。